子供が頭を打った!と、慌てて情報を調べていらっしゃいますか?
まずは落ち着いて。
最初にやるべき事は子供の症状チェック(状態観察)です!
子供の状態観察
↓ ↓ ↓
病院を調べ受診
(お住いの地域ごとの電話相談窓口が安心)
の順で落ち着いて判断していきましょう!
※意識障害、嘔吐、けいれんなどの症状があれば、すぐに救急車119番を!
①子供が頭を打った後の症状チェック項目
子供が頭を打った後は以下の項目を観察してください。
病院を受診することになった時にも役立つ情報ですので、覚えておくかメモを残しておきましょう。
- 転落の場合高さはどれくらいですか?
(2歳未満…0.9m以上、2歳以上…1.5m以上の場合は危険度が高いです) - 意識ははっきりしていますか?
- 保護者と目を合わせられますか?
- 嘔吐はありましたか?
- 出血はしていますか?
- 打った場所以外でたんこぶはできていますか?
- 頭以外に打った部分はありますか?
- 鼻や耳から出血はありますか?
- 首の後ろを触ると痛がりますか?
- 首を痛めたり、一方向しか向けないといった様子はありませんか?
- まっすぐ普通に歩けますか?
- 普段と違った行動はありませんか?
以上が実際に相談窓口でも尋ねられている主な項目です。
当てはまるものがあれば、相談窓口や医師に必ず伝えて下さい。
②子供が頭を打った後病院で受診と検査をすべきかの判断基準
上記『①子供が頭を打った後の症状チェック項目』で、1つでも症状が該当するようであれば、必ず病院で診てもらって下さい。
とはいえ判断が難しく不安を感じている保護者様も多い状況と思います。
受診すべきか迷った時は、地域の相談窓口に電話するのが安心です!
ネットで『子供救急相談 ○○(都道府県名など)』と検索すると電話番号が出てくると思います。
またCTを撮るほどの状況であるか、の判断基準は以下の6項目に該当するか否かです。
1つでも該当すればCT検査の必要があるかもしれません。
医師に相談してください。
お子様が2歳未満の場合
- 意識がおかしい
- おでこ以外にコブができている
- 5秒以上意識が消失した
- 転落の場合の高さが0.9m以上
- 触って分かるほどの頭部骨折
- 保護者から見ていつもと違う
お子様が2歳以上の場合
- 意識がおかしい
- 一瞬でも意識が消失した
- 嘔吐があった
- 転落の場合の高さが1.5m以上
- 目や耳の周りがパンダのように黒くなっている
- 著しい頭痛がある
CT検査による子供の被曝量は想像以上に多く、がん発生率が高まる事が危惧されています。
ですので、よほどの場合でない限りCT検査を行う事はほとんどありません。
CT検査をするべきかの判断基準である上記6項目に1つも該当しなければ、データ上99%超はその後容体が急変するなどといった事にはなっていませんので、かなり信頼のできる基準として考えられています。
③子供が頭を打った後48時間は気をつけて
軽傷で済んでいたり、病院でしっかり診てもらったあとも、頭を打ってから48時間(2日間)は注意が必要です。
経過を慎重にみてあげてください。
もし保護者様から見て『いつもと違うな』と感じたり、次のような症状があれば病院で診てもらってください。
- 呼びかけて起こそうとしても反応がはっきりしない。
- 混乱した状態である。
- 歩行のバランスが取れない。
- 首を動かした時に手足や首が痛む。
- 頭痛が強くなってきた。時間をあけて3回以上嘔吐している。
- 突然からだの力が抜けたり意識がなくなったりする。
- 見え方、聞こえ方に異常がある。
お子様がまだ小さく、自覚症状を保護者様に伝えられない事も多くあります。
その場合も重要なのは、保護者様から見て『いつもと違うな』と感じるところがあるかどうかです。
48時間の間は特に気をつけて観察してあげてください。
夜間眠っている最中は、ただ眠っているだけなのか、何か症状が現れているのかの判断が非常に難しくなると思います。
できれば1〜2時間おきに起こして、起こそうとした時の反応がいつもと同じかどうか見てください。
④頭を打った後48時間を過ぎれば大丈夫?
物事の判断に100%は難しいですから、子供が頭を打った後48時間を過ぎて何もなければ絶対に大丈夫、とは残念ながら言いきれません。
しかしながら、病院で実際にこの質問を投げかけた時にお医者さんから以下のような回答を頂きました。
『ご年配の方は転んだりした際に何もなかったと思い過ごしていても、数ヶ月〜半年後に何かしらの症状が出てきたり気づくようになる事はよくある事ですが、若い人特に子供の場合、そんなに遅れて症状が出てくる事はほとんどありません。』
ただし慢心せずに何か異変に気づいた際は病院で診てもらうようにしましょうね。
⑤再発防止に向けて
子供は転んで頭を打ったり、その他思わぬ怪我をたくさんします。その怪我を防いであげられるのは保護者様しかいません。
保護者様の心構えだけでなく『目を離しても安全な環境』づくりを実行して、お子様の怪我を防いでいきましょう。
こんな環境は危険?
以下の項目をチェックして、是非お家の環境をいまいちど見直してみて下さい。
- 子供を自動車に乗せる時、チャイルドシートに座らせていない事がある。
→6歳未満のお子様は必ずチャイルドシートに座らせましょう。 - ストーブやヒーターに安全柵をしていない。
→置き場所を変えられないものには安全柵を設置して火傷防止対策を。 - 浴槽に残し湯をしている。
→浅い湯でも子供は溺れます。わずかな水でも残し湯はしないで下さい。 - ベランダや窓際に踏み台となるものが置いてある。
→高いところからの転落は特に危険です。ベランダや窓際に踏み台となるようなものを置かないでください。 - 自動車または家の中に子供をひとりでおいていく事がある。
→短い時間でも子供をひとりにしないで下さい。
⑥【おまけ】実録!娘が頭を打った時
実際私の子供が頭を打ったのは1歳11ヶ月の頃。滑り台の階段約1.2メートル前後の高さから地面に転落し頭を打ちました。
出血はほとんどなく、一瞬泣くも数分で泣きやみ、普段と変わらない行動をしていました。
それでも年齢と落ちた場所の高さが心配で、子供救急窓口にも電話相談し病院を受診しました。
結果問題ないだろうとの診断でCTも撮らず帰宅。48時間の経過観察もクリアし、現在も元気に暮らしています。
でもあの時なぜ子供から目を離してしまったのか、自分をとても情けなく腹立たしく思っています。
子供が幼ければ幼いほど、保護者は家の中の安全な環境づくり、そして家の外での見守りに気を抜いてはいけないなと改めて思いました。
『子供の安全を1番に考える』だけどチャレンジさせる事も忘れずのびのびと育てていきたいですね。